
「うちの子は大型犬(中型犬)だから、小型犬よりも一緒にいられる時間が短いのかな…?」
ふとした瞬間に、そんな不安が胸をよぎったことはありませんか。実は、犬は体が大きくなるほど寿命が短くなる傾向があり、これは数多くの研究データでも裏付けられています。大型犬の寿命や中型犬の寿命が小型犬より短いのは、決して気のせいではありません。
でも、どうか落ち込まないでください。「残された時間」を正しく知ることは、愛犬ちゃんと過ごす一日いちにちを、もっと愛おしく、もっと丁寧に重ねていくための、やさしい第一歩になります。
この記事では、大型犬・中型犬と小型犬の寿命の違いを最新データから紐解きながら、健康寿命を延ばすために今日からできること、そして「いつか」のための心の準備までをお伝えします。
最新データで見る「体の大きさ別」平均寿命の差

近年、日本の犬の平均寿命は延び続けており、最新の調査では 14.82歳(2025年調査)という長さになっています ※1。フードや医療の進歩、そして飼い主様の愛情のおかげですね。
ただし、この数字はあくまで「すべての犬を合わせた平均」です。体の大きさ別に見ていくと、そこには無視できない差が隠れています。一般的に、体が大きくなるほど寿命は短くなる傾向があり、小型犬・中型犬・大型犬の順に寿命が短くなっていきます。それでは、具体的な数字を見ていきましょう。
◆ サイズ別の平均寿命の目安
| サイズ区分 | 成犬の体重 | 平均寿命の目安 |
|---|---|---|
| 超小型犬 | 5kg未満 | 約 15.1 歳 |
| 小型犬 | 5〜10kg | 約 14.8 歳 |
| 中型犬 | 10〜25kg | 約 13〜14 歳 |
| 大型犬 | 25〜45kg | 約 11〜13 歳 |
| 超大型犬 | 45kg以上 | 約 7〜10 歳 |
こうして並べてみると、超小型犬と大型犬では平均寿命に3〜4年ほどの差があることがわかります ※2。超大型犬の寿命になると、さらにその傾向が強まります。
大型犬・中型犬の犬種別に見る平均寿命
次に、大型犬・中型犬の代表的な犬種について、平均寿命を見てみましょう。こうして犬種ごとに並べてみると、同じ「大型犬」「中型犬」でも寿命にかなりの幅があることがわかります ※2。
| 犬種 | サイズ | 平均寿命 |
|---|---|---|
| 柴犬 | 中型 | 14.7 歳 |
| 甲斐犬 | 中型 | 14.3 歳 |
| 混血犬(10〜20kg未満) | 中型 | 14.0 歳 |
| 混血犬(20〜30kg未満) | 大型 | 13.2 歳 |
| ボーダー・コリー | 中型 | 13.0 歳 |
| ビーグル | 中型 | 12.9 歳 |
| ラブラドール・レトリーバー | 大型 | 12.7 歳 |
| ウェルシュ・コーギー・ペンブローク | 中型 | 12.3 歳 |
| 秋田犬 | 大型 | 11.6 歳 |
| シベリアン・ハスキー | 大型 | 10.8 歳 |
| ゴールデン・レトリーバー | 大型 | 10.7 歳 |
| バーニーズ・マウンテン・ドッグ | 大型 | 8.4 歳 |
※「混血犬(ミックス)」の子は、純血種よりも体が丈夫で長生きしやすいともいわれます。実際に、中型犬の雑種の寿命は同じくらいの大きさの純血種と同じか、やや長めの傾向が見てとれます。
こうして見ると、同じ「大型犬」でも、ラブラドールの寿命(12.7歳)とバーニーズの寿命(8.4歳)では4年以上の開きがあります。寿命が長い大型犬もいれば、残念ながら短命になりやすい犬種もいる、というのが正直なところです。
体の大きさで違う「老化のスピード」|愛犬と過ごせる時間は、思うより短い

平均寿命の差に加えて、もうひとつ知っておきたいのが「老化のスピード」です。犬は人間よりもずっと速く歳を重ねますが、そのスピードは体の大きさによっても異なります。下の表は、生後年数を人間の年齢に換算した目安です ※4。
| 生後年数 | 小型・中型犬 | 大型犬 |
|---|---|---|
| 1年 | 15歳 | 12歳 |
| 2年 | 24歳 | 19歳 |
| 3年 | 28歳 | 26歳 |
| 5年 | 36歳 | 40歳 |
| 7年 | 44歳 | 54歳 |
| 9年 | 52歳 | 68歳 |
| 10年 | 56歳 | 75歳 |
| 12年 | 64歳 | 89歳 |
| 15年 | 76歳 | 110歳 |
| 20年 | 96歳 | ― |
ピンク色の年齢から、人間でいう「シニア期」に入る目安です。
シニア期に入る時期は体の大きさによって異なり、大型犬は6〜7歳頃、中型犬は8〜9歳頃、小型犬は9〜10歳頃が目安とされています。


*環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン〜犬・猫の健康を守るために〜」を基に作成※4
同じ「10歳」でも、小型・中型犬が人間でいう56歳ほどなのに対し、大型犬では75歳に相当します。大型犬の体の中では、時間がそれだけ速く流れているのです。だからこそ、「まだ若いから大丈夫」と思っているうちに、シニア期は確実に近づいてきます。
つらい現実かもしれませんが、これを知っているかどうかで、今日という一日の過ごし方は大きく変わります。
なぜ大型犬は小型犬より短命なのか?医学的な4つの理由

「大型犬はなぜ寿命が短いのでしょうか」——これは多くの飼い主様が抱く疑問です。実は、自然界では「体が大きい動物ほど長生き」(ゾウとネズミの関係など)が一般的なのに、犬だけは逆。同じ「犬」という種の中では、体が大きいほど短命という不思議な現象が起きています。
その大型犬の寿命が短い理由として、現在は主に次の4つが考えられています。
理由① 細胞分裂の回数とガンのリスク
大きな体を作り、維持するためには、小型犬よりもはるかに多くの細胞分裂が必要です。細胞分裂は、いわば「細胞のコピー作業」。回数が増えるほど、コピーミス(=ガン・新生物)が起きる確率も高くなります ※5。大型犬にガンが多いのは、これが大きな一因とされています。
理由② 臓器への負担
体は大きくても、心臓や肺などの臓器は体格ほど大きくなりきれず、相対的に小さめになりがちです。つまり、小さなエンジンで大きな車体を動かしているような状態。ただ日常を過ごすだけでも臓器に負荷がかかりやすいのです ※5。
理由③ 成長ホルモン「IGF-1」の関与
近年の研究で注目されているのが、体を大きくする成長因子「IGF-1」です。大型犬はこのIGF-1の分泌が多く、それが体を大きくする一方で、老化を早める一因になっているのではないか、と考えられています ※6 ※7。
理由④ 急激な成長と、長い成長期
大型犬や超大型犬の子犬は、小型犬に比べて成長スピードが速い一方で、骨格が完全に成熟する(体づくりが落ち着く「維持期」に入る)まで、より長い時間がかかります。骨格が成熟する月齢は、体の大きさによって次のように異なります ※8。
| サイズ区分 | 成犬の体重 | 骨格が成熟する月齢 |
|---|---|---|
| 超小型犬 | 5kg未満 | 6〜9ヶ月 |
| 小型犬 | 5〜10kg | 8〜10ヶ月 |
| 中型犬 | 10〜25kg | 最大 12ヶ月 |
| 大型犬 | 25〜45kg | 12〜18ヶ月 |
| 超大型犬 | 45kg以上 | 最大 24ヶ月 |
超小型犬がわずか半年ほどで体づくりを終えるのに対し、超大型犬は最大2年もの間、体を「速く・大きく・長く」作り続けます。この大きな負担が細胞の老化を早める一因になると考えられています ※5。「あっという間に大きくなったね」という感動の裏側には、こうした事情も隠れているのですね。
大型犬・中型犬に多い病気と、健康寿命を延ばす秘訣

理由がわかれば、対策も見えてきます。ここからは前向きに、「今日からできること」を一緒に考えていきましょう。
◆ 注意したい病気・死因
| 病気・死因 | 特に注意したい犬種・特徴 |
|---|---|
| 新生物(ガン) | 大型犬の死因の上位。ゴールデンは血管肉腫・リンパ腫が多い ※9 |
| 胃捻転(GDV) | 胸の深い大型犬に多い。命に関わる緊急疾患 |
| 循環器(心臓)疾患 | 中型〜大型犬で加齢とともにリスク増 ※9 |
| 関節疾患 | 体重を支える関節への負担が大きい |
特に 胃捻転 は、食後すぐの激しい運動などをきっかけに、数時間で命を落とすこともある怖い病気です。食事は一気食いを避け、少量に分ける、食後すぐの運動は控える、といった日々の工夫が予防につながります。
◆ 健康寿命を延ばす3つの秘訣
- 定期的な健康診断(特に超音波検査)ガンは早期に見つけられれば、手術などで余命を大きく延ばせる可能性があります。老化の早い大型犬は、年に2〜3回の健康診断・超音波検査を行う価値が十分にあります ※5。
- 適正体重をキープする肥満は関節・心臓・あらゆる臓器への負担を増やします。ほどよく引き締まった、健康的な体型を保てるよう意識してあげましょう。
- 関節と足腰をいたわる環境づくりフローリングに滑り止めマットを敷く、段差を減らすなど、関節への負担を減らす工夫が、シニア期のQOL(生活の質)を大きく左右します。
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「最近、足腰が弱ってきた」「シニア期に入って、今後が心配」——
そんな段階に入ったら、いざという時のための情報を少しずつ集めておくと安心です。気になることがあれば、私たちハピネスのような専門スタッフにいつでもご相談ください。
寿命を意識したときから考えたい「お見送り」の準備

ここからは、少しだけ心づもりをしておきたいお話です。でも、老化のスピードが早い大型犬・中型犬と暮らす飼い主様にこそ、元気な今だからお伝えしておきたいことがあります。
「いつか」は、必ずやってきます
最期のことを考えるのはつらいものです。けれど、元気なうちに少しだけ心の準備をしておくことは、いざという時に慌てず、愛犬ちゃんに最後まで穏やかに寄り添うための「お守り」になります。実際に、準備不足から「安置の方法に困ってしまった」「慌てて業者を決めて、納得のいくお別れができなかった」と後悔される飼い主様は少なくありません。
大型犬ならではの、3つの確認ポイント
体の大きな子のお見送りには、小型犬とは違う特有の注意点があります。
1.移動火葬車で対応できるか
超大型犬の場合、車両の炉のサイズによっては対応できないことも。事前に「うちの子の体重・体格で対応可能か」を確認しておくと安心です。
2.お別れまでの安置の方法
火葬までの間、ご遺体を清潔に、できるだけ良い状態で保つことが大切です。体の大きな子は冷却にも工夫が必要なため、保冷剤やドライアイスの当て方など、具体的な方法を事前にプロに聞いておきましょう。
3.お見送りの「形」を選んでおく
ペットちゃんを引き取ってもらい火葬を任せる一任個別火葬、家族みんなで見送る立会個別火葬、お骨上げや返骨の有無など、選択肢はさまざまです。慌てて決めるのではなく、「この子にふさわしいお別れ」を、心穏やかな今のうちにイメージしておくことをおすすめします。
亡くなる前に見せる症状例、死後の安置方法を知りたい方はこれらのコラムをご参照ください
火葬を頼む先 ―「自治体」「ペット霊園」「訪問火葬」
意外と知られていないのが、火葬を頼む先によって、対応できる体の大きさが変わるという点です。自治体の公営斎場でも犬の火葬を受け付けていますが、体重に上限が設けられていることがほとんど。大型犬・超大型犬では、そもそも受け入れてもらえないこともあります。
| ペットちゃんの体重(棺を含む) | 主な対応先の目安 |
|---|---|
| 〜25kg程度 | 多くの自治体(公営斎場)で対応していることが多い |
| 25〜50kg未満 | 一部の自治体(在住者限定)、または民間のペット火葬業者 |
| 50kg以上 | 民間のペット火葬業者 |
公営斎場は「25kg未満まで」としている自治体が多く、50kg近い大型犬まで受け入れているところはごくわずかです ※10。しかも、その自治体に住んでいることが利用の条件になるのが一般的。50kgを超えるような超大型犬になると、設備の関係で自治体では対応が難しく、民間のペット火葬業者を探すことになります。
なお、ひとくちに民間業者といっても、大きく分けて「ペット霊園」と「訪問火葬」の2つのスタイルがあります。
●ペット霊園:施設までペットちゃんを連れて行き、火葬や供養を行います。納骨堂やお墓を併設していることも。
●訪問火葬(移動火葬車):火葬設備を備えた車が自宅まで来てくれます。ご遺体を運ぶ負担が少なく、体の大きな大型犬では特に頼りになる選択肢です。
ただし、訪問火葬の車にも対応できる体格に上限があり、40kgを超えるような大型犬や超大型犬では火葬車で対応できないこともあります。その場合は、大きな炉を備えた霊園・斎場に相談することになります。
いずれの場合も、「棺(箱)を含めた体重」と「棺のサイズ」が規定内かどうかを事前に確認しておくことが大切です。体の大きな子ほど、選べる火葬の方法や条件を早めに調べておくと、いざという時に慌てずにすみます。
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大型犬・中型犬のお見送りは、体格の分だけ、人手や工夫が必要になる場面があります。「まだ早いかも」と思われるかもしれませんが、事前のご相談こそ、後悔しないお別れへの一番の近道です。料金や流れのご説明だけでも構いません。どうか、ひとりで抱え込まずにハピネスへご相談ください。
まとめ:最期まで寄り添うことが、最大の愛情
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
確かに、大型犬・中型犬の寿命は小型犬より短い傾向があります。これは数字としては動かしがたい現実です。けれど、寿命の「長さ」だけが、その子の幸せを決めるわけではありません。
大切なのは、共に過ごした時間の密度です。何気ない散歩、寄り添って眠った夜、見つめ合った瞬間——その一つひとつが、愛犬ちゃんにとっての「この家の子で良かった」という幸せにつながっていきます。
そして、その物語の最後の1ページである「お見送り」は、悲しいだけのイベントではありません。これまでの感謝を伝え、たくさんの「ありがとう」を込めて送り出す、かけがえのない大切な儀式です。
私たちは、その「最期の一歩」を、飼い主様と愛犬ちゃんに寄り添いながら、心を込めて丁寧にサポートいたします。
ご家族にとって最善のお別れの形を、一緒に考えさせてください。
ご不安なこと、わからないことは、どんな小さなことでも構いません。
【参照元】
※1 一般社団法人ペットフード協会「2025年(令和7年)全国犬猫飼育実態調査」(犬の平均寿命 14.82歳)
※2 アニコム損害保険株式会社『家庭どうぶつ白書2025』(サイズ別・犬種別平均寿命)
※3 各寿命記録については、ギネス世界記録の公表情報、および以下を参照しています。長寿記録は極めて例外的な事例です。
・「ギネス記録は200歳?!世界の長寿犬特集」(Dog Huggy)
※4 環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン〜犬・猫の健康を守るために〜」(年齢換算・ライフステージ)
※5 ペットスマイルニュース「【獣医師監修】大型犬の寿命はどれくらい?なぜ小型犬より短命なのか」
※6 Loyal(Loyal for Dogs)「Product brief for veterinarians」(IGF-1と寿命の関係)
※7 池本篤史 博士論文「哺乳類・鳥類における寿命の進化に関わる遺伝的要因」(東北大学大学院)
※8 Purina Institute(ピュリナ・インスティテュート)「Puppy growth rates(子犬の成長と骨格の成熟)」
※9 一般社団法人 Team HOPE「動物病院における犬猫の死亡原因調査」
※10 50kg未満まで対応している公営斎場の例は、以下の各自治体の公式情報に基づきます(受け入れ条件・上限は変更される場合があります)。
・横浜市「ペット火葬のご案内」
・名古屋市「八事斎場(ペット等の動物火葬)」
・上尾伊奈斎場つつじ苑「利用の手引き」(PDF資料)
・仙台市「死亡したペットの火葬」
※本記事の数値は上記出典をもとにしたおおよその目安であり、調査年・調査主体により異なる場合があります。愛犬ちゃんの健康については、かかりつけの獣医師にご相談ください。
この記事の執筆者
ペット火葬
ハピネス 編集部 S・A
愛犬・愛猫・愛鳥など8匹以上を見送った経験を持ち、現在も愛犬と暮らす動物愛好家。初代愛犬を満足に供養できなかった経験からペット火葬ハピネスへ入社。あたたかなペット葬儀のための情報を発信。私生活では動物保護ボランティアへの支援を行っている。














