亀が動かなくなったら、死んでいるのではないかと心配になる方も多いのではないでしょうか。
亀は冬眠する生き物なので、まずは死亡確認を行いましょう。
このページでは安全な死亡確認の方法をご紹介しています。
大切な亀の体調が心配な方は、まずは落ち着いて亀の反応を見るようにしてください。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
亀の死亡確認方法
動かなくなった亀を見て、すぐに死んでしまったと判断するのは早いです。
亀のように冬眠をする生き物の場合、本当にお別れしなければいけないかどうかは、以下の事柄を試してから判断するようにしてください。
冬眠・仮死状態
変温動物である亀は気温が下がると活動が鈍くなっていき、やがて冬眠します。
冬眠は文字通り眠っているのではなく、体の機能を極端に下げて仮死状態に陥っているというのが正しい表現です。
冬眠している間は全く動かなくなってしまうので「ひょっとしたら亡くなってるかも…」と不安に感じた結果、判断を間違ってしまう方も多いです。
まずは「外見」と「反応」を確認してください。
【まったく反応がない場合】
冬眠ではなく、反応がない状態の場合は1日ほど水につけることで最終確認ができます。(水生・両生の亀の場合)
この際の水の温度は普段活動していた温度に合わせる必要があるため、亀の種類にあわせてピッタリの適温の水を用意してあげましょう。
亀の安置方法
業者に依頼した場合は最短で数時間、長くて数日程度はペットちゃんとお家で過ごせます。
そしてその間は人間と同じように安置する必要があります。
亀が安らかに火葬を待てるように正しい方法で安置してあげましょう。
亀の安置から見送りまでの3ステップ
今回は遺体の安置から火葬業者に依頼するまでの工程を3ステップで紹介します。
まずは安置に必要な品物を準備します。
品名 | 概要 |
ダンボール | 棺として使用 |
柔らかい布・歯ブラシ | 体をきれいにする |
タオル | 棺に敷いて汚れを防ぐ・ドライアイスを包むなど、様々な方法で使用 ※複数用意して、替えられるようにする |
お供え物 | 棺に入れてあげるお花やおやつ |
1:亀の体の汚れと水分を拭き取る
爬虫類は哺乳類に比べて遺体の腐敗が早いうえ、汚れや水分が残っていると傷みが早まります。
手足は布、甲羅は歯ブラシで優しく拭いてあげましょう。
2:遺体を棺に納める
棺代わりになるダンボールにタオルを敷きます。
そこに体をきれいにした亀を優しく納めてあげましょう。
その後、タオルで包んだ保冷剤やドライアイスを入れて、遺体を冷やします。
お供えの品がある場合は、この時に一緒に入れてあげましょう。
また、遺体を安置する場所はできる限り涼しい部屋を選びましょう。
3:見送る
業者さんが迎えに来たら、亀の入った棺をスタッフに渡します。
立ち会い可能な火葬プランであれば、一緒に火葬場まで向かいます。
立ち会わない場合は次に会えるのは返骨時です。
最後にしっかりとお見送りをしてあげましょう。
亀の死後にやること
遺体をきちんと安置できたら、供養方法を選びます。
大切な亀を悔いなく見送ってあげるために、慎重に選ぶようにしましょう。
供養方法を選ぶ(2~3日以内)
亀を供養する方法は「火葬」「埋葬(プランター葬)」の2つの選択肢があります。
【死亡から2~3日を目安に依頼先を選ぶ】
供養方法を決めたら、依頼先を決めてスケジュールを設定します。
亀の遺体はきちんと安置すれば夏場で2日、冬なら3日ほどはきれいな状態を保てます。
そのため、亀の死亡からおよそ2~3日の間に供養方法を決めて、依頼先を選ぶようにしましょう。
詳しく決まっていない場合は供養方法だけ仮決めし、後から依頼先を決めていくとスムーズです。
そのため、一旦供養方法だけ決めておくのがおすすめです。
【火葬】
火葬方法は主に「自治体への依頼」「ペット火葬業者・霊園への依頼」の3通りあります。
これらの火葬方法には「返骨の有無」「費用」「準備すること」などの違いがあります。
詳しい特徴やメリットはこちらの章でご紹介します。
【埋葬・プランター葬】
自宅の庭など私有地に埋葬するのは法律上問題はありませんので、庭に埋葬することもできます。
プランター葬は自宅のプランターに埋葬する方法で、庭がない場合でも行える供養方法です。
埋葬のメリットについても、後の章で解説します。
火葬業者の選び方
ペット火葬業者を選ぶ際は「対応の早さ」「料金面」を比較しましょう。
加えて、気になる事柄のチェックリストを作り、問い合わせ時に確認するのがおすすめです。
チェックリストを作ることは火葬業者に加えて霊園に火葬を依頼する際にも役立ちます。
ただし、火葬業者や霊園によって行っているサービスは異なります。
事前にホームページの確認や問い合わせを行って疑問点を解消してから検討するのがおすすめです。
亀の葬儀・供養方法
見送り方にこだわりたい場合はご自身で葬儀・供養の方法を選ぶこともできます。
丁寧に弔いたい場合は「火葬」
火葬を依頼するメリットは、供養方法の幅が広がることにあります。
火葬してお骨にしてもらえば「遺骨をアクセサリーにする」「骨壺を自宅で保管する」など手元供養ができるようになります。
その他にも、自宅に埋葬する場合でも悪臭や害虫発生のリスクを抑えることができます。
【供養方法を迷う場合は火葬がおすすめ】
火葬のメリットは供養方法の幅が広がることにあります。
どうやって弔うか決まっていない場合は、一旦火葬してもらってから判断するのも一つの手段です。
また、火葬の依頼先によってはご自身の手で拾骨することもできます。
お見送りの時間も、大切なペットちゃんとの思い出の一つ。
大切なペットちゃんを最後まで見送るために、火葬は最適な供養方法です。
埋葬・プランター葬
埋葬は原則、家の敷地内か私有地で行います。
そのため、大切にしていた亀の存在を常に身近に感じられるメリットがある方法と言えます。
対してプランター葬はペットちゃんの遺体をプランターに入れ、土をかぶせてあげる供養方法です。
そのため、お庭がない場合やマンションなどのワンルームでも行えるメリットがあります。
また、そのプランターに植えた植物を見るたびに亀のことを思い出す事ができるのが一番のメリットと言えるかもしれません。
【埋葬・プランター葬を行う際のポイント】
野良猫などに死体を掘り返される可能性や腐敗臭などの問題を避けるために穴を深く掘ったり、置き場所を工夫したりするなどの配慮が必要になります。
してはいけない供養方法
【火葬の注意点】
他人の土地はもちろんですが、自分の敷地内であっても勝手にペットちゃんの火葬を行うことは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に対する違反行為になってしまいます。※1
何より、ご家庭で出せる火力では骨だけにするのは難しいです。
※1 参考サイト
【水葬】
自然に帰してあげるために川や池に死体を帰す水葬は合理的に思えますが、この方法はNGです。
本人は家族であった亀を思っての行動であっても、先述した「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に抵触する恐れがあります。
また、外来種のアカミミガメや飼育されていた個体は死体であっても川の生態系にどのような影響を与えるか分からりません。
それに、育ってきた水槽と全く違う環境に返されては、亀も戸惑うはずです。
亀の供養が終わったら
供養が終わってもすぐに今まで通りの生活を取り戻すのが難しい場合もあるはず。
こうした終わりの見えない悲しみはどのようにして癒せばいいのでしょうか?
悲しみに区切りをつける
亀の遺品となる水槽やエサ入れなどは、いなくなった直後だと片づけるのも辛いと思います。
そのままの状態で保存しておくのは悪いことではありません。
しかし、水槽があることで悲しみを断ち切れずにいるのなら、折を見て片付けてしまいましょう。
亀を思い起こすグッズを手放すことが、心の整理にもつながることもあります。
【遺品整理が心の支えになる】
片付けると言っても、亀の遺品をすべて捨てる必要はありません。
人間の遺品整理作業と同じように、必要な品と捨てる品を仕分けていきましょう。
その仕分けは、品物にこもったペットちゃんの思い出を振り返る作業にもなるはずです。
メモリアルグッズを作る
ペットちゃんをいつでも思い出せるように、メモリアルグッズを作るのもおすすめです。
メモリアルグッズを作成する際は専門業者に作成を依頼するのが一般的です。
作成専門の業者に依頼するほかにも、ペット火葬業者のオプションとして火葬と一括して依頼できる場合もあります。
業者選びの基準にしてみてはいかがでしょうか。
いつまでも忘れないでいてあげる
ペットちゃんを亡くした後は「あの時もっと早く異常に気づいてあげていれば……」「他の家に飼われていればあの子ももっと幸せだったのかな……」など後悔ばかりが募るかもしれません。
しかし、はっきり言って不毛な考えだと筆者は思います。
別れを惜しまれるほど愛されていたのですから、ペットちゃんも幸せだったのではないでしょうか。
過去を悔やむのではなく、大切なペットちゃんをいつまでも忘れずに思っていられるように「メモリアルグッズを作成」「命日には法要をしてあげる」などきちんと供養してあげましょう。
まとめ
亀が動かなくなった場合は、手や足に優しく触って死亡確認を行うようにしましょう。
冬眠(仮死)状態であっても手足に触れれば何らかの反応をします。
しかし「手足がだらりと垂れている」「水に浮かんでいる」「手足に触れても反応がない」場合は死亡している可能性が高いです。
その場合は寂しいですが、お見送りの準備をしてあげましょう。