ペットちゃんが亡くなった後は火葬や保険の解約、死亡届の提出など様々な手続きが必要ですが、用意する書類や提出方法がわからなくなる方も多いです。
そこで今回は、ペット火葬の証明書は必要かどうかや保険の解約、死亡届についても詳しく解説します。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
ペットが亡くなったとき
ペットちゃんが亡くなったとき、飼い主様がしなければいけないことは何でしょうか。この章では、ペットちゃんが亡くなった際にしないといけないことを犬を例にご紹介します。
ペット火葬を依頼
ペットちゃんが亡くなったら、遺体を火葬して供養する方がほとんどです。ご自身での火葬は法律違反になりますので、火葬は専門業者に依頼する必要があります。
死亡届提出
犬が亡くなった場合は「死亡届」を自治体に提出する必要があります。飼い犬は狂犬病予防法によって自治体に名前が登録されているため、亡くなった際は登録解除を行う必要があるからです。
ペット保険解約
ペット保険に加入されている場合は、解約の手続きをしなくていけません。加入されていたペット保険によっては、葬儀や火葬に関する費用を一部負担してくれるようなものもあります。
遺骨の供養
火葬後、遺骨を返却してもらった場合はご自身で遺骨の供養を行います。ペットの場合は「いつまでに納骨しないといけない」という決まりはありませんので、そのままご自宅に安置される方も多いです。
ペット火葬について
ペット火葬は火葬方法やプランなどいくつか種類があり、ご自身にあった方法を選ぶことができます。
この章では、ペット火葬の種類について詳しくご紹介します。
火葬方法
ペット火葬には複数のペットちゃんと火葬する「合同火葬」と個別で火葬する「個別火葬」があります。合同火葬の場合は他のペットちゃんと遺骨が混ざってしまうため遺骨は返却されず、そのまま合同で埋葬されることが多いです。対して、個別火葬の場合はお骨を返却してもらうことが可能です。
拾骨の方法
人の場合は家族で拾骨する「立ち会い火葬」が一般的ですが、ペットちゃんの場合は火葬から拾骨までを業者に一任する「一任火葬」というプランもあります。立ち会う場合は遺骨をそのまま持ち帰ることができますが、一任する場合は火葬後のお骨の扱いについて確認しておくようにしましょう。
注意点
火葬を依頼したら「火葬証明書」、火葬後にそのまま埋葬する場合は「納骨証明証」を必ず受け取るようにしてください。どちらもペット保険の解約などその後の手続きに必要になります。
不明点があれば、業者に問い合わせて段取りを確認してもらいながら進めるのがおすすめです。
死亡届の提出方法
犬の場合は亡くなってから30日以内に死亡届を提出しなくてはいけません。手続きをしないと、20万円以内の罰金を科されるケースもありますので必ず行いましょう。
この章では、死亡届の手続きについて詳しくご紹介します。
窓口
愛犬の死亡届の手続きは保健所か自治体で行います。窓口で「死亡届」をもらい「ペットの名前」「飼い主の名前」「住所」「連絡先」「生年月日」「登録番号」などを記入します。その際に「鑑札」「狂犬病予防注射済票」を返却する必要があるので忘れずに持っていきましょう。
ご自宅にパソコンとプリンターがある場合は、事前に「死亡届」をダウンロードして記入して持っていくことも可能です。
インターネット
パソコンやスマートフォンからいつでも死亡届の手続きを行うことができます。自治体のホームページの「死亡届の手続き」から手続きを進め、飼い主様やペットちゃんの情報を入力してください。この場合「鑑札」と「狂犬病予防注射済票」は郵送して返却します。
電話・郵送
自治体によっては電話や郵送にて手続きができる場合もあります。郵送の場合は自治体のホームページより「死亡届」をダウンロードして記入し、「死亡届」と一緒に「鑑札」と「狂犬病予防注射済票」を入れて指定の住所に郵送します。
ペット保険の手続き
この章ではペット保険を解約する手続きについて詳しく解説します。
必要なもの
ペットちゃんが亡くなった日を証明するために、病院での「死亡診断書」や火葬した際の「火葬証明書」などが必要になります。また、保険の種類によっては葬儀や火葬・仏具などにかかった費用の一部が支払われる場合もあります。その際にも「火葬証明書」や「埋葬の領収証」などが必要になりますので、捨てないように置いておきましょう。
手続きの流れ
ペット保険会社へ連絡してペットちゃんが亡くなったことを伝えます。その後、ご自宅に送られてきた書類に必要事項を記入し、返送します。この際に「火葬証明書」などが必要になる場合もありますので、確認して一緒に提出しましょう。
注意点
保険の契約内容は「死亡診断書」「火葬証明書」「納骨や埋葬の領収証」に記載されている日付から失効することがほとんどで、保険料の日割り計算は失効日から計算されることが多いです。
詳しい計算方法やルールは契約した保険会社の規約を確認してください。
遺骨の供養について
人の供養では「四十九日を過ぎたらお墓に納骨しなくてないけない」という考え方が一般的ですが、ペットちゃんの場合はとくに決まりはありません。そのため返却してもらった遺骨をそのままご自宅に安置する方もいます。
また、そのまま安置する以外にも供養方法はたくさんありますのでご紹介します。
そのまま安置
返却された骨壺のまま安置する場合は、湿気によるカビを防ぐため中に除湿剤などを入れましょう。また、安置する場所は湿気の少ない部屋が好ましいです。
お墓・納骨堂
人の供養と同じようにお墓や納骨堂に納骨される方もいます。
また、ペットちゃんと一緒に入ることができるお墓も最近は増えています。
樹木葬
墓石の代わりに樹木を目印とする樹木葬も最近は人気です。
永代供養を行えることも多く、後継者がいない場合でも安心です。
自宅供養
自宅で供養する方法。仏具もミニ仏具やオブジェ、クッションなど供養方法やインテリアにあわせて選べます。
プランター葬
プランターに遺骨を埋葬してお花を植えるプランター葬も人気です。玄関やベランダを華やかに飾ることができます。
散骨
遺骨を粉状にして海や山などに散骨してくれる業者もあります。分骨して半分を手元供養することもできます。
まとめ
ペット火葬後の証明書の種類と、ペットちゃんが亡くなった後に飼い主様がしないといけないことについて解説しました。
家族の一員であるペットちゃんが亡くなった際は気が動転してしまう方も多いですが、ペット火葬や死亡届の提出、ペット保険の解約などできるだけ早く対応しないといけないことも多いため、落ち着いて進めていきましょう。