大切な家族の一員であるペットの最期を見送る日は、吉日を選びたいと考える飼い主様も多いと思います。
人間の葬儀の場合、「友引の日は縁起が悪い」という考えがありますが、ペットの場合はどうなのでしょうか?
結論から言うと、「友引」にペットのお葬式・火葬をしても問題ございません。
今回は「友引」「仏滅」「大安」など、伝統的な暦の「六曜」の意味を解説し、後悔しない火葬の日取りの選び方をご紹介します。
この記事のまとめ
- 六曜は伝統的な暦の一つだが、現代では迷信として捉えられる人も増えている
- 友引はもともと「共引」と書き、「引き分ける」を意味しており「災いが友に及ぶ」と意味はない
- ペット火葬・葬儀の日取りはペットちゃんや立ち会う家族のことを考えて選ぶ
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
六曜とは? 時代の流れで変化する意味合い
六曜は日本の伝統的な暦で、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6つの日からなります。特に「友引」や「仏滅」は主に結婚式や葬儀など、重要な行事の日取りを決める際に参考にされてきました。
友引
人間の葬儀を避けるべき日とされ、現代でもその考え方は根強く残っています。
仏滅
六曜の中で最も縁起が悪いとされる日で、「仏様が亡くなった」という意味を持つため、結婚式や引越しなどの新しい門出となる行事は避けられがちです。
六曜は現在でも慣習として根付いていますが、あくまで迷信と考える人も増えています。
その理由として「時代の流れに従い、六曜の意味合いが変化したこと」が挙げられます。
例えば、「仏滅」という言葉は、かつて「物滅」とも表記されており、「古いものが滅び、新しいものが生まれる」という解釈がされていました。
そのため、「すべてが滅ぶ」という否定的なイメージだけでなく、「新たなスタートにふさわしい日」として捉えられるようになり、実際に引越しや新しい事業の開始に適した日とされることもあります。
友引でもペット火葬が問題ない2つの理由
前述したように、友引・仏滅にペットのお葬式・火葬をしても問題ございません。
以下に、友引・仏滅でもペットのお葬式・火葬が問題ない具体的な理由をご説明します。
ペット葬儀には六曜の考え方が当てはまらないから
六曜はもともと人間の社会的な行事や縁起に関するものであり、ペットにはその影響が及ばないと考えられています。
当社は10年以上にわたりペット火葬事業を手掛け、多くの飼い主様とともに大切なご家族をお見送りしてきました。その中で、多くの飼い主様は六曜を気になさらず、友引の日であってもペットを見送る選択をされています。
ペットは「家族の一員」というかけがえのない存在です。その最期の時間において、六曜といった形式的な縛りに捉われるよりも、大切なのは飼い主様が心から納得できるお別れをすることです。
友引は引き分ける・勝負がつかないという意味だから
友引に関して誤解が多いですが、本来の意味を理解すれば、葬儀を避ける必要がないことがわかります。
「友引」とは、もともと「共引(ともびき)」と書き、「引き分ける」や「勝負がつかない日」を意味していました。しかし、陰陽道の「災いが友に及ぶ」という考えと混同され、「友を引き寄せる日」という不吉な解釈が広まりました。
その結果、「友を冥界に引き込む」という縁起の悪い意味が付けられ、特に人間の葬儀を避けるべき日とされるようになったと言われています。
そのため、友引に葬儀を避ける慣習は根付いていますが、これは本来の意味に基づくものではありません。特にペット葬儀においては、こうした迷信にとらわれる必要はないのです。
【注意点】友引は火葬場が休業していることもある
友引にお葬式をしないという人の慣習の名残から、自治体のペット火葬場によっては友引を休業日としている場合もあります。
また、友引の翌日は「友引明け」と呼ばれ、火葬場が混雑する可能性があるため、予約が取りづらくなることも考慮しておくと良いでしょう
一方で、当サイトのように自宅などに火葬炉を積んだペット火葬車で訪問火葬を行う業者は、友引に関わらず営業しているため、休業日でも火葬を依頼することが可能です。
六曜に縛られない、悔いを残さないためのペット火葬日の決め方
六曜が関係ないのであれば、火葬日はどう選べば良いでしょうか?
愛するペットちゃんを火葬する日は次の2つを意識すれば良いでしょう。
ご遺体が傷んでしまう前に送り出す
ペットが亡くなった後、遺体の状態は時間とともに変化します。特に夏場や湿度の高い環境では、遺体の腐敗が早く進行するため、できるだけ早く火葬を行うことが望ましいです。遺体を適切に安置して、ドライアイスや保冷剤で遺体を冷やし、腐敗を防ぐことで、亡くなった後のきれいな状態を保つことができます。
・安置をすると、夏場は2~3日程度、冬場なら3~4日程度安置できる
※ペットちゃんの種類によって違う
※いずれの場合でも直射日光を避け、涼しい場所で安置することが大切
しかし、適切に安置した場合でも、遺体をあまり長く置いておくのはおすすめできません。
安置した後も冷やす物の交換や漏れ出た体液のケアなどを行う必要があるうえ、少しずつ遺体は傷んでいくためです。
無事に遺体を安置できたら、早めに火葬の日程を決めてあげましょう。
詳しいペットの安置・保存方法はこちらの記事でイラスト付きで解説しております。
家族・参列者が集まりやすい日程にする
ペットは家族の一員であり、そのお別れにはできるだけ多くの家族や親しい人々が集まることが望ましいです。家族や参列者が集まりやすい日程を選ぶことで、皆が心を込めてお別れをすることができ、悔いのない見送りができます。
筆者の愛犬が亡くなった際は家族全員の都合が付かず、火葬業者に個別火葬を依頼してお骨のみ返してもらいました。
火葬が無事済んだことは良かったですが、愛する家族の旅立ちに立ち会えなかったことは今でも無念に思います。
友引や仏滅を避けたことにより、家族が見送りに立ち会えなかったら、後になって「きちんと見送れなかった」と後悔につながる可能性があります。
そのため、できる限り家族が揃う日を選び、きちんと見送ってあげましょう。
また、スケジュールが揃わない場合は以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。
・訪問火葬業者であれば休業や受付時間を気にせず、夜間や早朝に火葬を行うこともできる
・ペットちゃんの種類によっては遺体を冷凍すれば長い間安置できる
まとめ:六曜にとらわれずペット火葬・お葬式の日取りを決めよう
ペットの火葬やお葬式の日取りを決める際には、六曜に過度にとらわれる必要はありません。特に、友引という人間の慣習はペットの火葬には当てはまらず、友引の本来の意味は「友を引く」ではなく、引き分けや勝負がつかないことになります。
ペット火葬の日取りで重要なのは、以下の2点です。
・ペットちゃんをきれいな状態でお見送りすること
・家族や友人が立ち会いやすい日時を選ぶこと
当サイト「ペット火葬ハピネス」では、愛するペットちゃんとの最後のお別れを悔いのないものにするために、ご自宅や思い出の場所での訪問火葬を行っています。日程調整も柔軟に対応可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。