
今やペットとしてメジャーになりつつあるハリネズミですが、犬や猫などと比べるとまだまだ飼い方についての情報は少ないのが現状です。
そこで今回は、ハリネズミちゃんと暮らす飼い主様のために、とくに情報が乏しい「亡くなった後にどうすべきか」にスポットを当てて詳しくご紹介します。
ハリネズミちゃんが亡くなった後にすること
①エンゼルケア(遺体の保清処置)
②冷却と安置(遺体の適切な保存)
③葬送方法の選択(埋葬/火葬)
④火葬の手配
⑤遺骨の供養方法の選択(手元供養・自宅埋葬・ペット霊園へ納骨・自然散骨)
もし、家族皆で飼っている場合は、お見送りや供養の方法については自分一人で決めず、皆様で相談されたうえで納得できるものを選んでくださいね。
大切なペットちゃんとのお別れを、後悔のないあたたかな時間にしていただくための助けになれば幸いです。
ハリネズミが亡くなったらしてあげたいこと①|遺体のエンゼルケア(保清処置)

大切な家族であるハリネズミちゃんを亡くしてたら、悲しみから何も手に付かなくなったり、パニックになったりしてしまうかもしれません。
それでも、ハリネズミちゃんをきちんと弔ってあげるために、飼い主様は気持ちを強く持って最後のお世話をしてあげましょう。
まずはエンゼルケア(遺体の保清処置)を行います。
エンゼルケアは、ペットちゃんの尊厳を守ると同時に、感染症予防や飼い主様の心の整理を助ける意味合いもあります。
①ハリネズミちゃんの体勢を整える
ハリネズミの遺体はそのままにしておくと、数時間で死後硬直が始まります。
硬直してしまうと体勢を変えられなくなるため、できればそれまでに処置してあげるのが望ましいです。
目や口が開いたままであれば優しく閉じてあげ、無理な体勢になってしまっている場合は眠っている時のような楽な体勢にしてあげましょう。
*すでに死後硬直が始まっている場合は、24時間ほど経って硬直が解けてから体勢を整えるか、体を清潔にした後で白い布を遺体の上に掛けてあげるようにしましょう。
②ハリネズミちゃんの体をきれいに拭いてあげる
生前のような可愛らしい姿でお見送りできるように、汚れを拭き取ってきれいにしてあげましょう。
ぬるま湯に浸して固く絞ったタオルで、ペットちゃんの全身を丁寧に拭いていきます。
目、耳、鼻、口などの細かな箇所は、綿棒などを使って優しく拭き、手足やお尻のように汚れやすい箇所は入念に拭いてあげてください。

日本で飼うことができるのはヨツユビハリネズミ(別名ピグミーヘッジホッグ)のみですが、このハリネズミはエサの少ない乾季を乗り越えるために「冬眠」ならぬ「夏眠」をする性質があります。
夏眠はいわゆる仮死状態で、これを死亡していると勘違いしてしまうケースがあるので注意が必要です。

夏眠はハリネズミにとって負担が大きすぎるためさせないことが第一ですが、ちゃんと管理していても何らかの原因で仮死状態に陥ることもあります。
もし動かなくなっているペットちゃんを発見したら、死亡していると判断する前に必ず死亡確認を行い、仮死状態であった場合はすぐに適切な方法で起こしてあげましょう。
死亡確認の方法と、仮死状態からの起こし方やその後の対処方法については下記のコラムで詳しくご紹介していますので、ぜひご参考ください。
ハリネズミが亡くなったらしてあげたいこと②|遺体の冷却と安置

ハリネズミちゃんのエンゼルケアができたら、次は冷却と安置を行います。
適切な方法で冷却・安置することで、お見送り(火葬/埋葬)までの間、可愛らしい姿を保ってあげることができます。
①ハリネズミちゃんの棺を準備して中に寝かせる
ハリネズミちゃんの体のサイズに合った箱を用意します。
その中にペットシーツやタオルなどを敷いて棺にし、ハリネズミちゃんを優しく寝かせてあげましょう。

②ハリネズミちゃんの遺体を冷やす
保冷剤やドライアイスを用意して布で包みます。
それをハリネズミちゃんの体の周りに置きましょう。
とくに頭やお腹は傷みやすい箇所なので、重点的に冷やすようにしてください。
この方法で、夏場なら1~2日、冬場なら2~3日ほどきれいな姿を保つことができます。

*ペットちゃんの遺体からは排泄物や体液が漏れることがあります。その際は体をきれいに拭いて、汚れたタオルなども交換してください。
*遺体に水滴がつくと腐敗が進みやすくなります。保冷剤は必ず布で包み、解け切る前に取り替えてください。
*ドライアイスは素手で触れない、またペットちゃんの体にも直接当てないようにしてください。
*ドライアイスを使用する場合は部屋の換気を徹底し、棺は密封しないでください。
③しっかりとお別れをしてお見送りの準備をする
棺には、お花の他、生前好きだったフードやおやつなどを供えてあげるのもおすすめです。
たくさんの楽しい思い出をくれたペットちゃんに「ありがとう」や「大好き」など、あたたかな言葉をかけてあげましょう。
お別れの時間を十分に取ることは、ペットロスにも効果的と言われており、飼い主様の心の回復を助けてくれます。

ペットちゃんへの最後のお世話ができたら、次はお見送りの準備や供養の手配を行いましょう。
次の章では、ハリネズミのお見送り方法について解説いたします。
ハリネズミの遺体はどう弔う?埋葬・火葬の特徴と注意点

ハリネズミのように小さなペットちゃんの場合、遺体をそのまま庭などに埋葬する方法を選択される飼い主様もおられます。
しかし、ハリネズミは外来生物であるため、日本に元々いない菌やウイルスを保有している可能性があり、生態系への影響がないとも言い切れません。
日本国内で繁殖された個体であればまだ良いのですが、輸入された個体の場合や病気で亡くなった場合は、火葬して弔うのが望ましいでしょう。
ハリネズミちゃんを埋葬する|埋葬方法と注意点
埋葬は、自らの手でしてあげられることに加えて、いつも近くに存在を感じられる弔い方です。
お世話好きで長期間の管理も苦ではない、という飼い主様に向いています。
費用もあまりかからないため、とても良い方法のように思いますが、注意点も多いのでそれを踏まえて行うかを検討ましょう。
●庭へ埋葬する方法
庭へ埋葬する場合は、深く穴を掘り(1~2m)、ペットちゃんがきちんと土に還れるように腐葉土や腐食しやすい段ボールなどを穴の底に入れます。
さらに石灰などの土壌消毒材と一緒に遺体を納め、土を戻してください。
この時、ペットちゃんの遺体は木綿や絹などの自然素材100%のもので包んであげると良いでしょう。

日が経つにつれて、徐々に穴の中の隙間が埋まっていき地面がへこんできますので、それを見越して土は山になるように盛っておきます。
・私有地以外で行うと不法投棄として罰せられるため絶対にしてはいけない
・深く穴を掘って埋めなければ異臭や害虫が発生したり、野生動物に掘り返されたりするリスクがある
・異臭や害虫の発生により近隣トラブルになることがある
・遺体が土に還るまで10年ほどは管理が必要になる
・引越しや土地の売却が気軽にできなくなる
●プランターへ埋葬する方法
プランターへ埋葬する方法は庭への埋葬と違い、マンションや借家などに住んでいても行えますし、移動も簡単にできるという利点があります。
行う際は、できるだけ深さがあるプランター(最低30㎝以上)を選び、底からの虫の侵入を防ぐために鉢底ネットなども準備しましょう。

プランターの底に鉢底ネットを敷き、次に鉢底石を敷き詰め、園芸用の土と腐葉土を混ぜたものを入れます。
1/3ほどまで土が入ったら、堆肥や腐葉土を入れてその上にペットちゃんの遺体を納め、また腐葉土、堆肥を入れ、土をかぶせてください。
お花を育てる場合は、根が遺体を傷つけないように鉢底ネットを敷いてから、さらに土を入れて、そこに植えるようにしましょう。
・異臭や害虫が発生したり、野生動物に掘り返されたりするリスクがある
・異臭や害虫の発生により近隣トラブルになることがある
・遺体が土に還るまで10年ほどは管理が必要
・落とすなどして破損しないように気をつける
ハリネズミちゃんを火葬する|火葬方法と注意点
火葬は人と同じように弔うことができますし、火葬方法によっては遺骨の供養の選択肢も広がります。
5章で詳しくご紹介しますが、遺骨を手元供養したり、ペット霊園に納骨したり、大自然に散骨したりと、飼い主様の理想とする方法で供養できるようになるのです。
「ペットちゃんを丁寧に見送ってあげたい」「遺骨を形見として手元に置いておきたい」という飼い主様向けの方法と言えます。
火葬方法には「合同火葬」「一任個別火葬」「立会個別火葬」の3種類があります。
*ご自身でペットちゃんの火葬をすることは法律で禁止されているためできません。
●「合同火葬」は費用が抑えられる
「合同火葬」は複数のペットちゃんと一緒に火葬する方法です。
費用は一番抑えられますが、他のペットちゃんの遺骨と混ざってしまうため返骨はできません。
火葬後は、合同のお墓へ埋葬されます。
「費用を抑えたい」「ペットちゃんに寂しい思いをさせたくない」という飼い主様に選ばれています。
・火葬への立ち会いや拾骨はできない
・返骨はできない
依頼できるところ
・自治体 ・訪問ペット火葬業者 ・ペット霊園
●「一任個別火葬」は返骨ができる
「一任個別火葬」は火葬を執り行うスタッフがペットちゃんを引き取り、個別で火葬する方法です。
あらかじめ希望を伝えておけば、後日返骨してくれる業者もあります。
「火葬に立ち会うのはつらいけど遺骨は返してほしい」「ペットちゃんだけで火葬してあげたい」という飼い主様に人気です。
・返骨を希望する場合は火葬前に伝えておく必要がある
・火葬への立ち会いや拾骨はできない
依頼できるところ
・訪問ペット火葬業者 ・ペット霊園
●「立会個別火葬」は飼い主様の手で拾骨までしてあげられる
「立会個別火葬」は人間の火葬に一番近い火葬方法で、個別でペットちゃんを火葬する際、家族で立ち会うことができます。
火葬前にセレモニーを行う、飼い主様自らの手でお骨上げを行うなど、丁寧に見送ってあげられるのが特徴です。
遺骨は飼い主様の意向に沿って供養することができるので、「家族として丁寧に見送りたい」「供養方法にもこだわりたい」という方に最適です。
・3つの火葬方法の中で一番高額になる
依頼できるところ
・訪問ペット火葬業者 ・ペット霊園
ハリネズミを悔いなく見送るためのペット火葬業者の選び方

ペットのハリネズミちゃんの火葬は「自治体」「訪問ペット火葬業者」「ペット霊園」に依頼することができます。
自治体の場合は、お住まいの地域で指定された施設のみ利用可能となるため、ここでは民間のペット火葬業者(訪問ペット火葬業者、ペット霊園)の選び方をご紹介します。
残念なことですがペット火葬業者の中には、飼い主様の悲しみに付け込んで詐欺まがいの犯罪行為を行う悪質な業者も存在するのです。
飼い主様に寄り添って丁寧な火葬を行ってくれる業者を見分けるポイントは全部で7つです。
ぜひ業者選びの参考にしてください。
優良なペット火葬業者を見分けるポイント
①料金設定が適正で、事前にいくらになるか説明がある
②ホームページに会社情報や事例が載っている
③口コミ数が多く、評価が高い
④スタッフの対応が丁寧で誠実
⑤最新の火葬炉を使用している
⑥時間の融通が利く
⑦相見積もりを嫌がらない
①料金設定が適正で、事前にいくらになるか説明がある
基本料金やオプションメニューの価格がホームページに記載されているのは当然として、相場から大きくかけ離れていない料金設定である業者が安心です。
また見積もり時に正確な費用を出してくれるか、これ以上追加になることはないか、なども合わせて確認しておきましょう。
②ホームページに会社情報や事例が載っている
ホームページに会社概要(住所、連絡先など)が記載されていない業者への依頼は避けるのが無難です。
問題が発生した際に、ホームページを消して逃げやすくしている可能性があります。
作業事例は、実際の火葬時にどのように対応してもらえるのかが知れますし、所要時間やプラン内容もわかるので依頼する際の目安になります。
③口コミ数が多く、評価が高い
Google口コミやその他の口コミサイトを確認してみましょう。
口コミ数が多く、総合的に評価が良いところは信頼性が高いと言えます。
口コミ数が少なすぎる場合はサクラによる投稿の可能性がありますし、低評価と高評価が極端に二極化しているような場合も要注意です。
④スタッフの対応が丁寧で誠実
ペットちゃんや飼い主様の気持ちを考えて、寄り添ってくれる人柄であるかを見極めましょう。
電話対応や見積もり時の接客態度、身だしなみなどを確認するとともに、質問に明確に答えてくれるか、なども観察するようにしてください。
⑤最新の火葬炉を使用している
ハリネズミのように小さなペットちゃんの場合、遺骨をきれいに残すには「高性能の火葬炉」と「高い技術力」の両方が必要になります。
そのため、最新の火葬炉を使用しているということも業者を選ぶポイントです。
⑥時間の融通が利く
年中無休で営業していたり、夜間や早朝でも対応してくれたりするペット火葬業者もあります。
ペットちゃんはいつ亡くなるか分からないため、飼い主様の都合に合わせて時間を調整してくれるなら安心です。
⑦相見積もりを嫌がらない
筆者は3社ほどでの相見積もりを推奨しています。
これは費用相場を知るためや、より相性の良い業者を見つけてもらうためです。
もし、相見積もりを嫌がり、すぐにでも契約させようとする業者があれば注意してください。
契約後に事前説明のない高額請求をされたり、ペットちゃんを不当に扱われたりするリスクもあるので避けることをおすすめします。
ハリネズミの遺骨の供養方法は4種類から選択する

ハリネズミの遺骨は、「手元供養」「自宅埋葬」「ペット霊園へ納骨」「自然散骨」の4つの方法で供養することができます。
手元供養(祭壇、遺骨アクセサリー)
手元供養は、ペットちゃんの存在をいつもそばに感じることができる供養方法です。
自宅に飾れる小さな祭壇も販売されていますし、布を敷いた上に骨壺とペットちゃんの写真を飾るだけでも立派な祭壇になります。
また、遺骨を入れることができるネックレスやブレスレットといったアクセサリー、ぬいぐるみなども購入できるので、好みのものを探してみると良いでしょう。
自宅埋葬(庭、プランター)
私有地やプランターに埋葬するこの方法は、いつでもお墓参りができるのが特徴です。
遺骨の状態で埋葬するので、悪臭や害虫の発生も防ぐことができます。
*詳しいやり方についてはこちらをご確認ください。
ペット霊園へ納骨
ペット霊園には納骨堂(霊座)と呼ばれる屋内型墓地と、合同墓地、個別墓地があります。
納骨堂は、天候に左右されずにお参りができます。
合同墓地は、他のペットちゃんも一緒に埋葬されるため、寂しがり屋のペットちゃんにおすすめです。
個別墓地は、ペットちゃんだけのお墓を作るので墓石などもオリジナルで用意することができるようです。
年忌法要や供養祭が行われる霊園も多く、手厚い供養が受けられます。
自然散骨
遺骨をパウダー状にしてもらえば、山や海などの大自然に散骨して供養することができます。
ただし、自治体によっては散骨が禁止されていたり、許可が必要だったりすることもあるため確認が必要です。
散骨を専門にしている業者もありますので、相談すると良いでしょう。
まとめ
愛するハリネズミちゃんとのお別れは、胸が張り裂けるようにつらく悲しいものです。
しかし、飼い主様だからこそペットちゃんのために最後にしてあげられることがあります。
ペットちゃんを、ちゃんと天国まで送り届けてあげるような気持ちで、以下の5つを行ってあげてください。
ハリネズミちゃんが亡くなった後にすること
①エンゼルケア(遺体の保清処置)
②冷却と安置(遺体の適切な保存)
③葬送方法の選択(埋葬/火葬)
④火葬の手配
⑤遺骨の供養方法の選択(手元供養・自宅埋葬・ペット霊園へ納骨・自然散骨)
そして、「ハリネズミちゃんの遺骨をきれいに残してあげたい」「可愛いメモリアルグッズで供養してあげたい」という飼い主様は、ぜひハピネスへご相談ください。
経験豊富なペット葬儀士が飼い主様の想いに寄り添い、ペットちゃんの火葬・葬儀を心を込めてお手伝いいたします。
この記事の執筆者
ペット火葬
ハピネス 編集部 S・A
愛犬・愛猫・愛鳥など8匹以上を見送った経験を持ち、現在も愛犬と暮らす動物愛好家。初代愛犬を満足に供養できなかった経験からペット火葬ハピネスへ入社。あたたかなペット葬儀のための情報を発信。私生活では動物保護ボランティアへの支援を行っている。














