人が亡くなった際は、通夜や葬儀、初七日、四十九日、一周忌など様々な法要がありますが、初めてペットちゃんを見送る際は、法要が必要なのか、どのように過ごせばいいのかを疑問に思われる方も多いと思います。
そこで今回は、これからどのようにペットちゃんを供養してあげたらいいのか分からないという方のために、ペットちゃんの法要について詳しく解説します。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
そもそも法要とは?ペットは必要?
法要とは故人を偲び成仏できるように祈るためにする儀式です。ペットちゃんが亡くなった場合は必ず必要という訳ではありませんが、家族の一員であるペットちゃんを人と同じように法要をして供養される方も増えてきております。
家族の一員として過ごしてきたペットちゃんが亡くなった際は、喪失感や孤独に襲われるという飼い主様も多くいらっしゃます。そのような場合は人と同じように法要を行い、家族でペットちゃんを偲び、段階的に悲しみを癒していくほうがいいと言えるでしょう。
法要の種類
法要には様々な種類があります。人のようにすべて行わなければいけないという訳ではありませんので、必要と思われる法要だけ執り行われる方がほとんです。この章ではどのような法要があるかそれぞれご紹介します。
通夜
ペットちゃんが亡くなった日に家族で偲びます。通夜を行う場合は、ペットちゃんの体勢を整えた後、体を濡れたタオルで拭いて綺麗にしてあげましょう。また、遺体を保冷剤やドライアイスで冷やして、腐敗しないようにしてあげてください。
葬儀
ペット専門の葬儀場などで家族が集まり「お経を唱える」「焼香」「お見送り」「火葬」「遺骨の拾い上げ」といった人の葬儀と同じ流れで手厚く供養される方もいらっしゃいます。また、自宅に出張してもらいご自宅付近で火葬をしてもらう方法も人気です。
初七日
初七日は亡くなった日を含めて7日目に行う法要です。仏教では亡くなってから七日目に故人が極楽浄土にいけるか審査されると言われており、故人が無事に極楽浄土へ行けるように遺族が祈る日とされています。
しかし、人の場合でも省略されて葬儀を行う日に一緒にされることが多くなっています。
四十九日
四十九日は亡くなってから四十九日目に行う法要です。仏教では四十九日に、故人が極楽浄土に行けるかどうかの最終の審査があると考えられています。四十九日は遺族で集まり、僧侶を招いてお経を読んでもらい極楽浄土に行けるように祈ります。
百か日
百か日は亡くなってから百日目に行う法要です。四十九日で思いもよらない世界へ行かされる審査が出てしまうこともありますが、百か日に再審査があると言われています。遺族が供養をきちんと行えば救済を受けることができると言われており、遺族で祈る儀式があります。また、故人が亡くなった悲しみに区切りをつける日でもあります。
一周忌
亡くなった翌年に行う法要です。基本的には翌年の命日に行いますが、遺族が集まりやすい日付で前倒しに行われるケースも多いです。故人が極楽浄土へ行き成仏するうえで、遺族がその後も供養することが生まれ変わりに関係すると言われています。また、喪が開けることから節目をつけるという大切な法要です。
法要の過ごし方
ペットの法要の過ごし方は人それぞれです。ご自宅に骨壺や仏壇を置いている場合は、お花や好きだった食べ物をお供えして手を合わせるなどして過ごします。お墓がある場合は家族でお墓参りをするという方も多いでしょう。霊園によってはペットちゃんの法要に合わせてお経を読んで供養してくれる場合もあります。また、ご自宅に僧侶を呼んで、お経を読んでもらう方もいらっしゃいます。
準備するもの
ペットの法要をする際はどのようなものを用意したらいいのでしょうか。ペットの法要にルールはありませんので、飼い主様が必要だと感じるものだけご用意してご自身に合った方法で供養することができます。
この章ではご自宅で法要する際と霊園で法要する際の必要なものをそれぞれご紹介します。
ご自宅で法要する
ご自宅で法要する際に準備するものについてご紹介します。
お菓子
ペットちゃんが好きだったおやつなど供えるお菓子を用意しましょう。
お花
ペットちゃんのイメージに合うお花などを用意し、祭壇を華やかにしてあげましょう。
ペットちゃんの形をした可愛いプリザーブドフラワーなども人気です。
ハンカチ
ペットちゃんを思って涙することもあると思います。ハンカチやハンドタオルを用意しておくと安心でしょう。
線香
お経を読んでもらう間にお焼香をすることがあります。お線香をあげることでペットちゃんと心を通わせることができると言われていますので、家族だけで法要する場合でもお線香を用意しておくといいでしょう。
おりん
ペット用のおりんも販売されています。仏教ではおりんを鳴らす理由はこれからお経を読む合図や邪気を払うためと言われています。お経を読まない場合でも、ペットちゃんがいる世界へ合図を送ることができると用意される方もいらっしゃいます。
ろうそく・ろうそく立て
ペット用のろうそくはカラフルなものや可愛い柄が描かれているものもあります。もちろん人の供養に使われているシンプルなろうそくやろうそく立てでも問題ありません。
ライター・マッチ
ろうそくに火をつける際にライターやマッチが必要になります。
数珠
お焼香する際や経読の際に必要になります。
お布施・費用
僧侶を呼んでお経を読んでもらう場合は、お布施または費用が必要になります。
霊園などで供養してもらう場合
霊園などへペットちゃんのお墓を埋葬している場合は、永久供養として霊園で法要をしてもらえるケースもあります。霊園によっては法要に参列できる場合もありますので確認してみましょう。
服装
霊園によっては人のお墓が併設されていることもありますので、派手な格好や露出が高い格好は控えましょう。
数珠
霊園によって必要でない場合もありますが、持っておくと安心でしょう。
ハンカチ・タオル
ご自宅の法要と同様に持っておくと安心です。
お供えもの
霊園によってはお菓子やお花をお供えできる場合もあります。お供えができるか確認してみましょう。
お布施・費用
お墓や納骨堂に埋葬した際に「永久供養」が含まれている場合は費用などは発生しません。
お花の選び方
ペットの法要の際に「どのようなお花を選んだらいいか分からない」という方も多いと思います。この章では、ペットの法要の際に供える花の選び方についてご紹介します。必ず用意しないといけない訳ではありませんが、大切なペットちゃんのためにお花を選ぶ時間はとても充実したものになるはずです。
イメージに合ったお花
ペットちゃんのイメージに合うお花を選んであげるといいでしょう。
花言葉で選ぶ
「感謝」「愛」など気持ちに合った花言葉のお花を選んであげるのもいいでしょう。
予算
お花の金額は高ければ高いほどいいというものではありません。予算に合わせて選ぶようにしましょう。
まとめ
今回はペットの法要についてご紹介しました。ペットの法要は必ずしないといけないというものではありません。しかし、供養や法要はペットちゃんのためだけではなく、飼い主様の悲しみを癒すためのものでもあります。
大切な家族としてきちんと弔ってあげたい場合は、ご自身のご要望にあわせて法要の計画を立ててあげましょう。