
うさぎは7~8年程度と寿命が短く、突然死してしまうこともあります。
どんなに覚悟していたとしても、大切なうさぎちゃんが死んでしまったら頭が真っ白になる飼い主様も多いはずです。
それでも、これまでたくさんの思い出をくれたうさぎちゃんのために、最後まで丁寧に見送ってあげたいものですよね。
そのためにも、まずは慌てず落ち着いて、以下の3つを行ってください。
①うさぎちゃんの遺体の処置(エンゼルケア)
生前のようなきれいな姿に整えるための処置
②うさぎちゃんの遺体の安置
うさぎちゃんの遺体が傷まないよう適切な方法で冷やして冷暗所へ安置
③うさぎちゃんの供養の手配
希望通りの供養ができるように、火葬業者へ連絡
このページでは、遺体の安置から供養方法の選び方まで、大切なうさぎちゃんを悔いなく見送る方法をご紹介します。
今から愛するうさぎちゃんを見送る方も、いつか来るお別れに備えたい方も、ぜひ最後までお読みいただき、理想のお見送りについて考えてみてください。
この記事の監修者

高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
うさぎが動かなくなったらまずは生死確認をしよう

うさぎは死んだふりをすることがある動物です。
そのため、うさぎが動かなくなったら、まずは生死確認を行い、本当に亡くなってしまっているのか確かめましょう。
確認の結果、生きていることがわかっても、いつもとは様子が異なり、元気がなく弱っているように感じたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
そして、残念ながら亡くなっていることが確定したら、遺体の処置(エンゼルケア)と安置をしてお見送りの準備をしてください。
うさぎちゃんの遺体の処置(エンゼルケア)のやり方

遺体の処置(エンゼルケア)は「感染症予防」「遺体のケア」「飼い主様の心のケア」の3つの目的のもと行われる処置全般のことを指し、うさぎちゃんを生前に近いきれいな姿で見送ってあげるためにとても重要なものです。
うさぎは死後1〜2時間程度で死後硬直が始まります。
硬直してしまうとうさぎちゃんの体勢を変えることが難しくなるため、死後硬直が始まる前に遺体の処置(エンゼルケア)を始めましょう。
うさぎちゃんの遺体の処置(エンゼルケア)5つの手順
うさぎちゃんの遺体を清潔にして、楽な体勢に整えてあげるエンゼルケアの手順は次の5つです。
①エンゼルケアに必要なものを用意する
まずは、うさぎちゃんの体を清潔にしてあげるための道具を揃えます。
・濡らしてかたく絞ったタオルやウェットティッシュ
・毛並みブラシ
・綿球やコットンパフ、ティッシュ
・バスタオルやブランケット
②うさぎちゃんを寝かせる
バスタオルやブランケット(うさぎちゃんが生前愛用していたものなど)を用意し、そこにうさぎちゃんを優しく寝かせてあげましょう。
③うさぎちゃんを楽な体勢に整える
うさぎちゃんの手足を優しく曲げて体に寄せ、眠っているような体勢に整えてあげましょう。
手足が伸び切った状態で死後硬直してしまうと、棺に遺体が入らないといった不具合が起こることもありますし、なにより苦しそうな姿勢のままでお別れすることにもなりかねませんので注意しましょう。

すでに死後硬直が始まっている場合は、無理に手足を曲げると関節が外れてしまうことがあるので、強引に体勢を変えるのはやめましょう
半日~1日後の死後硬直が解けるタイミング(解硬)を待ってから体勢を整えてあげてください
④うさぎちゃんの目や口を閉じる
目や口が開いたまま亡くなっている時は、閉じてあげましょう。
手でまぶたを撫でるように下げれば目を閉じることができますが、閉じ切らない場合はハンカチやガーゼを掛けてあげてください。
⑤うさぎちゃんの遺体を清潔にする
濡らしたタオルなどでうさぎちゃんの体を拭いて清潔にし、ブラシで毛並みを整えてあげましょう。
遺体からは体液や排泄物がこぼれ出てくることがありますので、鼻・肛門・耳には綿球やコットンを詰めてください。



うさぎちゃんの遺体の安置方法と注意点

うさぎちゃんのエンゼルケアができたら、次は遺体の腐敗を防ぐために安置を行いましょう。
適切な方法で安置すれば、夏場では1~2日ほど、冬場では2~3日ほどきれいな姿を保ってあげることができます。
うさぎちゃんの遺体の安置方法4つの手順
うさぎちゃんの遺体の安置方法は、以下の4つの手順で行います。
①安置に必要な物を用意する
まずは、棺となる箱や保冷剤などの必要なものを揃えます。
・タオル
・バスタオルやブランケット
・保冷剤やドライアイス
・棺(段ボール箱やペット用棺など)
・ペットシーツや新聞紙
②棺の準備を整える
棺(段ボール箱やペット用棺など)を用意し、ペットシーツまたは新聞紙を敷いた上にバスタオルなどを敷きます。
そこへうさぎちゃんの遺体を優しく寝かせてあげましょう。

遺体から体液が漏れ出てしまうこともあるため、ペットシーツや新聞紙は必ず敷いておく
③保冷剤やドライアイスで遺体を冷やす
保冷剤やドライアイスをタオルで包み、うさぎちゃんの遺体の周りに配置します。

・頭部や腹部はとくに腐敗が進みやすい場所なので重点的に冷やす
・保冷剤は解けきる前に小まめに取り替える
・ドライアイスは素手では触らない
・ドライアイスをそのまま添えると遺体が傷む原因になるため、必ずタオルで包む
④うさぎちゃんの棺は冷暗所に安置する
棺を安置する場所は、うさぎちゃんが安らかに眠れるように静かな部屋を選び、室温を20度以下に保ちましょう。
その際、お花や線香などの他に、うさぎちゃんの好きだったおやつやおもちゃを供えてあげるのもおすすめです。

・直射日光や空調の風が遺体に当たらないようにする
・ドライアイスを使用している場合は棺を密閉せず、部屋を換気する
うさぎちゃんの遺体の処置(エンゼルケア)や安置の方法については、YouTubeの動画でも詳しく解説していますので、ぜひご参考ください。
供養方法4種類|飼い主様の要望に沿うおすすめの方法をご紹介

愛するうさぎちゃんの遺体の処置(エンゼルケア)と安置ができたら、供養方法を決めて手配しましょう。
どのように供養してあげたらいいのか悩まれる飼い主様も多いと思いますので、この章では、各供養方法の特徴を解説し、どんな人におすすめなのかをご提示します。
供養方法4種類の比較|こんな飼い主様におすすめ
うさぎの供養方法は「私有地に埋葬」「自治体に火葬を依頼」「訪問火葬業者に依頼」「ペット霊園に依頼」の4種類から選びます。
供養方法を選ぶ際は「考え方(価値観)」「生活スタイル」「見送った後の生活」の3点を考慮しましょう。
私有地に埋葬 | 自治体に火葬を依頼 | 訪問火葬業者に依頼 | ペット霊園に依頼 | |
こんな人におすすめ | ・費用を抑えたい ・管理の手間は惜しまない | ・費用を抑えたい ・形式にとらわれない | ・自宅や好きな場所で見送りたい ・自分らしい葬儀がしたい | ・火葬から埋葬までを一貫して任せたい ・永代供養してほしい |
料金相場 | 埋葬に必要な道具代 | 1,700~2,100円 | 9,000~23,000円 | 12,000~40,000円 |
メリット | ・費用が抑えられる ・埋葬する日を自由に決められる | ・費用が抑えられる | ・火葬の日時を自由に決められる ・好きな場所で見送れる ・家族やうさぎ仲間と見送れる ・供花やおやつを供えられる ・飼い主様らしい葬儀ができる ・火葬に立ち会える ・飼い主様の手で拾骨できる ・返骨、粉骨、分骨にも対応できる ・提携霊園への埋葬が可能 | ・火葬の日時を自由に決められる ・家族みんなで見送れる ・火葬に立ち会える ・供花やおやつを供えられる ・飼い主様の手で拾骨できる ・返骨、粉骨、分骨にも対応できる ・火葬から埋葬まで一貫して対応可能 |
デメリット | ・手間と時間がかかり、体力がいる ・十数年間に渡り管理が必要 ・悪臭や害虫が発生する恐れがある ・近隣とのトラブルになることがある ・容易に引越しや土地の売却ができなくなる | ・火葬の日時を自由に決められない ・火葬に立ち会えないところが多い ・供花やおやつを棺に入れられない ・廃棄物と一緒に燃やされる自治体もある ・遺骨、遺灰は埋め立てられる | ・高額になりがち | ・高額になりがち ・車などの移動手段がないと利用しにくい |
次項からは、それぞれの供養方法をわかりやすく解説します。
私有地への埋葬なら、うさぎちゃんを身近に感じられる
うさぎのように体の小さな動物でも、土中で分解されて自然に還るまでには十年以上かかります。
それまでの期間は、虫や悪臭の発生などが起こらないように管理する必要があります。
また、止むを得ず土地を手放す際には、埋まっている遺体の処理方法を考える必要も出てきます。
一度埋葬したら土地の引越しや売却が難しくなることを心得ておきましょう。
加えて、埋葬する場所は私有地に限られることも忘れてはいけません。
公園やマンションなど他人の土地や、山・海などに許可なく埋葬すると、不法投棄となり罰せられるため、絶対にしてはいけません。
自治体に依頼すると安価で火葬ができる
多くの自治体では、うさぎに限らず様々なペットちゃんの遺体を有料で引き取り、火葬してくれます。
例えば、大阪市の場合では、ペットちゃんの体重によって料金が異なり、うさぎの場合「5kg未満」の1,700円となります。※
安価で火葬できるのはメリットですが、遺骨は基本的に返骨されないことを覚えておきましょう。
回収した遺体は他のペットちゃんや可燃物と一緒に焼却されるためです。
しっかりと葬儀・供養してあげたい場合は他の供養方法を選ぶのが賢明です。
※参考サイト
「ペットなどが死んだ場合の引き取り」大阪市
訪問火葬業者なら理想のお見送りを実現してくれる
大切なうさぎちゃんを丁寧に見送る方法としては最適です。
こちらが希望する条件に応じて、ぴったりの火葬プランを設定してくれます。
オプションとして僧侶による読経やご家族による拾骨などを追加できるのも大きなメリットです。
また、飼い主様らしい、ペットちゃんらしい葬儀を行いたい場合も、相談すれば実現方法を一緒に考えてくれます。
「うさぎ仲間にも列席してほしい」「思い出の場所で見送りたい」など、大切なうさぎちゃんのためにしたいことがあれば、遠慮なく相談してみましょう。
うさぎちゃんの場合、個別火葬を依頼して返骨を希望する場合は13,000~24,000円程度が相場です。
ペット火葬ハピネス | A社 | B社 | |
うさぎちゃんの 火葬費用 (個別火葬・返骨あり) | 13,000~23,000円 ※合同火葬・返骨なしの場合は5,500円~ | 16,000~19,000円 | 15,000~24,000円 |
自治体に依頼する方法と比べると料金は高額になりますが、利便性の高さや自由度の高さから、近年では最も選ばれている方法です。
ペット霊園に依頼する方法なら火葬から埋葬までを一貫して任せられる
人間さながらの葬儀を執り行い、しっかりと供養してあげたい飼い主様に最適な方法です。
霊園内に火葬炉が備えられているところがほとんどのため、火葬後には拾骨から埋葬までを一連の流れとして飼い主様の手で行うことができます。
ただ、敷地面積が必要となる性質上、郊外にあることが多く、車などの移動手段がないと利用しづらいという難点もあります。
こちらの方法も、「訪問火葬業者」同様、うさぎちゃんの体重やサービス内容によって料金が変わってきます。
個別火葬をして返骨を希望する場合の料金相場は、20,000~25,000円と訪問火葬業者よりもやや高くなる傾向があります。
うさぎちゃんが亡くなって悲しい気持ちはどうやって解消する?

大切なうさぎちゃんを失ったことが、心の傷となって飼い主様を苦しめることがあります。
その悲しさを乗り越えるためには、飼い主様が心から満足してお見送りすることが大切です。
悲しさが生活に悪影響を与え始めたら要注意
たくさんの癒しを与えてくれた大切なペットちゃんとのお別れは、悲しくて当然です。
しかし、悲しい気持ちが長く続く場合や、「眠れない」「食事が喉を通らない」など、体に不調が出ている場合は注意してください。
愛するうさぎちゃんを失った悲しみが原因で「ペットロス症候群」に陥っている可能性があります。
ペットロスは生活に悪影響を与えるだけではなく、うつ病の原因にもなる深刻な心の病です。
自分がペットロスに陥っていると感じたなら、周りの人や専門家に相談して、適切に対処しましょう。
ペットロスを乗り越えるためには?
ペットロスを乗り越えるためには、まずは自分が抱えている悲しみを受け入れることが大切です。
アイペット損害保険株式会社が行った調査によると、ペットちゃんとの別れを経験した方で、「自分や家族、同居人がペットロスになった」と回答した人は全体の62.3%にも及びました。
その方達に「ペットを亡くした悲しみを癒すきっかけとなった出来事はありましたか?」との質問をしたところ「ペットを悼む気持ちを肯定する(43.5%)」が圧倒的に多く、次いで「ペットの遺品を整理する(14.9%)」「墓参り/墓の手入れをする(13.2%)」「家族や友人など犬・猫とお別れした経験を持つ人と悲しみを共有する(12.5%)」という結果になりました。
こちらの調査では、犬・猫を亡くした飼い主様が対象ですが、うさぎの飼い主様でもペットちゃんへの愛情や悲しみは同じです。

*引用:ペットに関する調査~ペットを亡くした方の6割が「ペットロス」を経験~(アイペット損害保険株式会社:2023年)
自分の感情を抑え込んでしまう方は多いですが、それでは悲しい気持ちが胸に溜まっていくばかりになります。
たくさん泣くことも、周りの人に話しを聞いてもらうことも恥ずかしいことではありません。
あふれる想いは吐き出した方が、楽になることもあります。
今は先が見えないかもしれませんが、時には周りの人の力を借りて、できる限りいつも通りの生活を心掛けることが大切です。
うさぎは死んだら月に帰る?
うさぎ愛好家はうさぎが亡くなることを”月に帰った”と表現します。
大切なうさぎちゃんの死は、飼い主様に自分の一部が欠けたような痛みを感じさせるものです。
「たとえ自分のそばを離れても、”あの子”は月から見守ってくれている。」
”月に帰ってしまった”という言葉には、そんな飼い主様の願いにも似た想いがこもっているのかもしれません。

このように、旅立ったペットちゃんが、あたかも別の場所で幸せに暮らしていると思うことで、心が癒されることもあります。
筆者は飼っていた愛犬や愛猫の写真をよく見える場所に飾っています。
愛犬も愛猫も霊園の同じお墓で眠っており、物理的な距離は離れているのですが、写真の中の愛らしい愛犬・愛猫と目が合うたびに悲しい気持ちが和らいでいくように感じました。
たった1枚の写真や形見の品1つでも、悲しい気持ちに寄り添ってくれることもあります。
他にも、「遺骨をアクセサリーにして身に付ける」「ペットとの思い出を日記に綴る」「部屋の模様替えをする」など、様々な方法で飼い主様たちはペットロスを乗り越えておられます。
ぜひ、いろいろ試してみて自分にあった方法を見つけてください。
まとめ
愛するうさぎちゃんとお別れすることはとても辛いことですが、飼い主として最後まで見送ることはとても大切です。
死亡が確認された後は、速やかに遺体の処置(エンゼルケア)と安置を行い、火葬業者へ連絡しましょう。
うさぎの供養方法には「私有地に埋葬」「自治体に火葬を依頼」「訪問火葬業者に依頼」「ペット霊園に依頼」の4つの選択肢があります。
それぞれに料金や時間などの違いはありますが、悔いを残さないためにも見送った後のことまで十分に考えて選んでください。
もし、どうしても決められないという飼い主様は、ペット火葬ハピネスでご相談を承りますので遠慮なくお問い合わせください。
飼い主様のご要望やご予算にあわせて最適な供養方法をアドバイスをさせていただきます。