ペットの火葬は死後何日後にするのがいい?早い方がいい場合って?

ペットちゃんが亡くなり「火葬はいつすべきか」「何日後に行えばいいのかわからない」と悩んでいる方はいませんか?

ペットちゃんの種類や状況、飼い主様の考え方によって火葬を行う日は異なるため、迷ってしまうのは当然です。

また、火葬を焦ってしまい「十分にお見送りできなかった」と後悔する飼い主様も多いです。

遺体はきちんとした方法で安置すれば、季節にもよりますが2日程度はきれいな状態を保てます。

そのため、まずは安置を済ませてから飼い主様の気持ちに応じて火葬日を調整するのがおすすめです。

この記事では状況ごとに、ペットちゃんの火葬をいつ行うべきかのタイミングをご紹介します。

ペットちゃんを見送るタイミングがわからない方はもちろん、ペットちゃんのお見送りに悔いを残したくない方も、このページを参考にしてください。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

ペットのご遺体はいつ火葬すべき?何日後がベスト?

何日後に火葬するのがベスト?

ペット火葬をするタイミングに決まりはありません。

飼い主様がペットちゃんをお見送りすることに前向きになれたタイミングで行うのが良いでしょう。

しかしペットちゃんの遺体を安置できる最大日数は、夏は2日、冬は4日程度です。

お別れは辛いですが、きれいな姿でお見送りしてあげるためにも早めに火葬の段取りを行いましょう。

また、火葬を行うタイミング別の注意点やポイントをご紹介します。

何日後に火葬をすれば良いか悩まれている飼い主様は、ぜひ参考になさってください。

ペットちゃんは亡くなった当日の火葬も可能

ペットちゃんが亡くなったことが判明した当日に火葬をするパターンです。

人間の場合は、死後24時間経ってからに火葬することが法律で決められています。

しかし、ペットちゃんの場合はその限りではないため当日火葬をすることができます。

ペットちゃんも人と同じようにまだ生きている可能性もありますので、病院で死亡が確定しているか確認することをおすすめします。

業者のスケジュールが埋まっていて、当日依頼ができない可能性も高いので気をつけましょう。

当日中に火葬を行うメリット
  • 家族間でスケジュールをあわせる必要がない
  • 遺体が傷む心配がない
  • 安置に必要な準備をする必要がない

亡くなった翌日以降なら精神的に落ち着いてお見送りできる

ペットちゃんが亡くなった翌日以降に火葬を依頼するパターンです。

一晩一緒に過ごすことで冷静になり、亡くなった悲しみやパニックが少し落ち着いている頃です。

落ち着いた精神状態でお別れができるので、ペットちゃんにしっかりとお別れの言葉をかけられます。

また、スケジュールを調整しやすくなるメリットもあります。

ご家族で予定をあわせて、全員揃ってお見送りすれば悔いのないお見送りになるはずです。

何より、家族全員に見送ってもらえることは、ペットちゃんにとっても幸せなことのはず。

余裕があれば家族のスケジュールを確認し、日程を調整してみましょう。

火葬を翌日に行うメリット
  • 火葬の依頼先や供養方法などをじっくり吟味できる
  • 理想のスケジュールを立てて見送れる
  • お見送りまでペットちゃんとゆっくり過ごせる

業者と都合があうとき

自治体の場合は、平日の日中にのみ対応の場合がほとんどで、早朝や夜は難しい場合もあります。

しかし、民間の火葬業者の場合は時間指定ができる場合も多いです。

柔軟に対応してくれますが、人気の業者はスケジュールが埋まっていることもあります。

ですので、飼い主様の理想の条件をかなえてくれる業者を見つけられたら早めに依頼をしましょう。

業者に火葬を依頼するメリット
  • 夜間・土日など都合の良い時間を指定できる
  • 読経など、理想の葬儀を実現するためにサポートしてくれる
  • 専門知識を持ったスタッフがお見送りを支えてくれる

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早めに火葬をした方が良い状況は?

早めに火葬をするべき状況

ペットの火葬には決まったルールはないため、飼い主様の考え方や事情に応じて対応できます。

しかし、シチュエーション次第では早めに火葬をするべき場合もあるため注意が必要です。

遺体が傷みやすい夏

高温多湿な環境は遺体の腐敗を早めるため、遺体が傷みやすくなります。

特に、遺体に以下のような変化が見られる場合は腐敗の合図です。

・鼻にツンとくるような悪臭がする

・安置している部屋で虫を見かけるようになった

・体液が漏れてきている

・お腹が膨らんできている

遺体は腐敗した後、少しづつ傷んでいきます。

そうなる前に早めに火葬することは大切なペットちゃんをきれいな姿で見送るために大切です。

遺体が傷んでしまう前、安置してから3日以内には火葬をしましょう。

安置する際も太陽の当たらない部屋など気温の上がりにくい場所を選び、クーラーでしっかりと冷やすことが重要です。

死後硬直している犬・猫・小動物

犬・猫・小動物は死後、数時間程度で「死後硬直」します。

死後硬直は24時間程度で解けますが、その後遺体は少しづつ腐敗していきます。

そのため、死後硬直した犬・猫・小動物の遺体は早めに火葬することをおすすめします。

【犬・猫は死後硬直後に生き返る?

ネットでは「犬・猫が死後硬直後に生き返る」という噂が流れています。

しかし、死後硬直した犬や猫が生き返ることはありません。

死後硬直は生命活動を終えた体にしか発生しない反応だからです。

悲しいですが、これまでの感謝を込めて丁寧に安置して見送ってあげましょう。

心を込めて見送ることで、飼い主様が抱えた悲しみを和らげることにもつながります。

遺体が傷みやすい動物を安置する場合

爬虫類・両生類など、遺体の腐敗が早い種類のペットちゃんもいます。

あまり長い間安置することができないため、なるべく早く火葬をしましょう。

その際は、疑似冬眠でないことを確認してから依頼しましょう。

遺体を傷めないためのポイント
  • 亡くなっていることがわかったら早めにケースから取り出して安置する

また、金魚や熱帯魚といった魚類も遺体が傷みやすいです。

魚の遺体は乾燥することで腐敗が進むため、注意が必要です。

遺体は濡らしたティッシュやタオルで包んで、湿らせた状態で安置するのがポイントです。

魚類の遺体を傷めないためのポイント
  • 魚の場合は時期を問わず、1~2日程度で火葬した方が良い

火葬を急ぐと後悔することがある?

アイペット損害保険株式会社はペットを亡くした経験がある1,000人を対象に「ペットロスに関する調査」を実施。

調査結果では「亡くなったペットに対して後悔していることはなんですか?」という質問に対して「もっと何かできたのではという漠然とした思い」があるという回答が約5割を占めていました。

この「何か」には生活環境や闘病生活などペットちゃんとの暮らしに関する思いが込められていますが、見送りの際にも抱く思いではないか、と筆者は思います。

筆者は愛犬を亡くした後、用事のため一任個別火葬を依頼してお見送りをしなかった経験があります。

もう何年も前の話ですが「きちんとお見送りをしてあげられなかった」という後悔は今でも胸の中に残ったままです。

火葬を急ぐ必要はありますが、飼い主様が心から満足できる方法でお見送りすることも大切です。

「もっと何かできたのでは」と思わないよう、理想の見送り方を一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

※参考サイト

「ペットロスに関する調査」アイペット損害保険株式会社

基本的な安置方法をご紹介。何日間安置できる?

この章では犬・猫を例に、様々なペットちゃんに使える基本の安置方法を解説します。

ペット火葬当日まで遺体を適切な方法で安置しておくと、きれいな姿でお見送りができます。

そのため、火葬までの時間の長さを問わず、最期のケアとして丁寧に安置をしてあげましょう。

犬・猫を例にした安置方法(※動画の解説付き)

安置方法はペットちゃんの種類によって違いがありますが、基本的な部分は同じです。

まずは以下の品物を用意します。

用意するもの
  • 棺(ペットちゃんが横になれる大きさ)(ダンボールなどでも可)
  • ペットシーツまたはタオル
  • 除菌シート
  • 綿球
  • 保冷剤またはドライアイス

準備が整ったら、以下の4つの工程で安置を進めていきます。

【1:棺を作る

ペットちゃんが入る大きさの箱にペットシーツやタオルを敷きます

犬・猫の場合は死亡後、数時間程度で死後硬直が始まり、およそ24時間後に解硬します。

その間には遺体から体液が漏れ出ることがあります。

シーツやタオルを敷いておけば、体液が溢れても問題ありません。

2:ペットちゃんを棺に納める

ペットちゃんを棺の中に納めます。

その際、手足を体の内側に優しく折り曲げ、寝ている時のような体勢に整えてあげましょう。

ただし、もし死後硬直が始まっている場合は、無理やり動かさずできる範囲で整えてあげましょう。

【3:ペットちゃんの体をきれいにする

除菌シートや固く絞った清潔な濡れタオルで、顔・お尻まわりを中心に優しく拭いてあげます。

目・鼻・口周辺、お尻まわりは時間差で体液が出てくることがありますので、安置している間はガーゼを詰めたり、定期的に汚れをチェックしてください。

犬・猫など被毛がある動物の場合は、ブラッシングをしてあげても良いでしょう。

【4:遺体を冷やす

火葬当日まで、遺体を冷やして腐敗や傷みを防ぐ必要があります。

タオルで包んだ保冷剤やドライアイスを遺体の周りに並べて冷やしましょう。

特に内臓の集まるお腹や頭部を重点的に冷やすことで、遺体の腐敗を抑えることができます。

より詳しい安置方法についてはペットの安置・保存方法の記事や下記の動画を参考にしてください。

動画では安置方法の解説に加えて、火葬までの過ごし方についても解説しています。

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ペットちゃんの遺体は何日安置できる?

安置した遺体は夏は2日、冬なら4日程度ならきれいな状態で安置できます。

しかし、その間は「棺を置く場所の工夫」や「保冷剤のこまめな交換」が必要になります。

棺の置き場所

直射日光が当たらない涼しい部屋に棺を置いてあげてください。

夏場は冷房を利かせた涼しい部屋で安置すると、保冷剤も長持ちします。

保冷剤の交換

保冷剤はおよそ2~3時間程度で解けてしまうため、冷却能力が落ちる前に取り換えてあげましょう。

頻繁に交換するのが難しい場合は、ドライアイスを入れるのがおすすめです。

また、保冷剤が解けた際に発生する結露は、遺体の傷みを早めます。

保冷剤は布などで包み、遺体に直接保冷剤を当てないようにしましょう

火葬を依頼するのは自治体と業者どっちがいい?

自治体と業者どっちがいい?

ペット火葬は、主に自治体と民間のペット火葬業者が対応してくれます。

それぞれの特徴をご紹介します。

自治体に依頼する

自治体では亡くなったペットちゃんを引き取り、比較的安価で火葬してくれます。

しかし、一般廃棄物という扱いになり、自治体によっては家庭ゴミと一緒に焼却されることもあります。

また、複数のペットちゃんを一緒に火葬するため返骨をしてもらうことも難しいです。

ですので供養という意味合いは薄く、飼い主様にとっては心残りになる可能性もあります。

逆に、形にこだわりが無く、費用を抑えたい方や手元供養の予定が無い方には自治体依頼がおすすめです。

自治体によって料金や対応が異なりますので、お住まいの自治体のホームページなどを必ず確認してください。

民間のペット火葬業者に依頼する

民間のペット火葬業者では、遺骨を返骨してもらえたり、骨を拾える、提携のお墓に埋葬してくれるなど飼い主様の悲しみに寄り添うようなサービスが充実しています。

自治体の火葬と違い、土日に営業しているなど時間の融通が利くため、何日後に家族でお見送りしたいといった要望にも可能な限り応じてくれます。

ご遺体を飼い主様が葬儀場に持ち込むパターンと、家の近くまで引き取りにきてくれるパターンの2つがあります。

手元供養を希望されていたり将来的に同じお墓に入りたいなど返骨を希望される方、感謝をこめて手厚くお見送りしたい飼い主様には特におすすめです。

こちらも業者によってサービスは様々ですので、必ず依頼検討している業者のホームページを確認しましょう。

また、悪徳業者を選んでしまわないためにも、問い合わせフォームや電話で連絡をしてみましょう。

まとめ

火葬のタイミングには決まりがありません。

そのため、飼い主様が納得できるタイミングでお見送りすることをおすすめします。

ただし、遺体が傷むなど腐敗のサインが見られた場合は急いで火葬するようにしましょう。

ペットちゃんとのお別れは、感謝やお別れを伝える大切な場です。

遺体をきちんと安置すれば、夏場は2日、冬なら3日ほど遺体をきれいな状態で保つことができます。

その時間を利用してお見送りの準備を整えて、悔いを残さないように見送ってあげましょう。

また、こちらのページではペットちゃんの死亡から火葬準備までの流れを説明しましたが、火葬方法のより詳しい解説や、葬儀当日までの流れを知りたい方は下記ブログを参考にしてください。

この記事の執筆者

執筆者

ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N

愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。

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